付録C 12の人間関係の本質的ニーズ
人間関係は、互いのニーズの実現の上に築かれる。 次のようなニーズは、親密なパートナーや、家族、友人との関係に当てはまる。 すべての関係に当てはまるわけではなく、仕事関係のような人間関係には当てはまらない。 これらのニーズは双方向に行き交う。つまり、人に与え、人からも貰うという具合に。ニーズが満たされなかったなら、感情(怒り、悲しみ、または恐れ)が引き起こされる。常にニーズが満たされていれば、喜びが生まれ、信頼感と親密さが深まる。
安心(信頼)
- 1. 安全-身体的、精神的虐待(恥、非難、評価、監視、批判、罪悪感を抱かせる言動)がない。
- 2. 境界-プライバシーと自分の空間
- 3. 自律-選択や意思決定の自由
安定(信頼)
- 4. 一貫性-信頼性、一貫した気分と行為、言行一致
- 5. 正直さ-誠実さ、説明責任、困難なメッセージの共有、弱さを見せること、感情的な正直さ(気持ちやニーズをオープンにすること)、親切さと礼儀正しさを伴った正直で率直ではっきりとしたコミュニケーション
- 6. そこにいること-物理的、精神的、感情的な現前
サポート(親密さ)
- 7. 理解-その人が何者であるか知りたいという心からの熱望(明るい面も暗い面も)、思いやり
- 8. 受容-人をあるがまま受け入れること、人を変化させようとしたり、矯正しようとしたりしないこと
- 9. 承認-人の行動、能力、特性を認めること
養育(親密さ)
- 10. 愛情-特別だと感じること、大切に思うこと、十分な世話を受けること、温かさと親切心、仲間意識
- 11. 尊重されること-重要だと感じること、感情やニーズや意見を尊重すること
- 12. つながり-親密さを共有していること、相互信頼、見て聞いて理解してもらえていると感じること、一体感、同じコミュニティへの所属感
これらの12のニーズは健全な人間関係の基盤となる信頼や親密さや尊敬を育む。 安心と安定の項目は信頼を築く。一方、サポートと養育の項目は親密さを産む。 しかし、まず信頼を構築しなければ親密な人間関係は生まれない。もちろん、人には、その他多くのニーズがある。 しかし、これらは人間関係の確かな基礎を築くためのコアとなるニーズである。